なにが「全然」違うのか全然わからない話
2012-12-31


この国の総理大臣であるとみなされている人物が、
原子力発電所についての今後の政策について、ある放送局の
インタビューに答えたといわれている内容が3社の報道資料によって、
以下のように各様にまとめられている。
 「新たにつくっていく原発は」...

1.「事故を起こした(東京電力福島)第一原発のものとは全然違う。
国民的な理解を得ながら新規につくっていくことになるだろうと思う」
(朝日)。

2.「40年前の古いもの、福島第一原発とは全然、違う(ものにする)。
国民的な理解を得ながら新規に作っていくことになるだろう」(読売)。

3.「40年前の古いもの、事故を起こした(東京電力)福島第1原発の
ものとは全然違う。何が違うのかについて国民的な理解を得ながら、
それは新規につくっていくことになるのだろう」(毎日)。

 「全然」という内実が不明であるが、画期的な技術革新がこの40年
に生じたかのような説明であるので、おそらくよほど自信があるの
であろう。
 ちなみに、私は地震の前年、「地球温暖化」にからんで原子力発電が
夢のエネルギーであるかのように喧伝されている事情を疑問に感じ、
「CO2による温暖化問題」について情報を確認するとともに、
原子力発電技術もさぞ進歩したのであろうと、書籍などを買い求め
て確認したのであるが、残念ながらそれらが旧態依然たる危険な
代物であることが判明しただけに終わったのであった。
 以前より、とてつもない状態を形容するのに、
「何がすごいか、わかならいほどすごい」
という表現を私は個人的な場面において使用することがあるが、
この事例がその手の低級な冗談でないことを切実に祈る。

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